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和ろうそく と 月 (産経新聞)

日本に初めて電気で灯りが灯されたのは 今から130年ほど前らしい。
ろうそくは 今から 1190年ほど前らしいから
日本人は 1000年もの間ずっと ろうそく に頼ってたんだ。

時にはそんな時代に思いを馳せてみることもある。

たとえば江戸川の土手の上で。
土手の上は舗装されてても そこに灯りはない。
街路の灯りが川沿いの土手に届くも やっぱり暗い。

だから月の存在の大きさに気がつく。
月が見えないとき、雲で覆われたときは、とても暗い。
ところが満月の時は すごく 明るい と感じる。
月あかりで己が土手の上の舗装に影になる。

先人たちは絶えず月の存在の大きさを感じていたのだろう。
それに だから お月見を楽しむ。
和庭園には 月を見るがためだけのやぐらがあったりする。
それで十五夜には餅や酒などを供えて稲などの豊作を祈ってみたり。

それにしても月を ジッとみていると不思議な気分になってくる。
直径 約3,500kmもの巨大な球体が、月が ああやって宇宙空間に浮いている、
地球(直径 約12,000km)から 約380,000kmを離れて。
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20091205_和ろうそく1.jpg
(約330年前の創業当時から伝わるケヤキの看板=京都市上京区の和ろうそく「財木屋」)

20091205_和ろうそく2.jpg
(水に浮かぶろうそくは、火の心配や、周りを汚すこともない=京都市上京区の和ろうそく「財木屋」)

http://sankei.jp.msn.com/culture/arts/091125/art0911251621003-n1.htm

【京都MONO語り】和ろうそく「財木屋」 温かい光 穏やかに心も照らす
2009.11.25 16:20

 室内でも時折、不規則に揺らめく、橙(だいだい)色を帯びた深みのある黄色の炎。和ろうそくの大きな炎は凛(りん)として力強く、それでいて、静かに消えていくはかなさも持ち合わせる。和ろうそくを使っていた古代の人々の暮らしのイメージを想像するのは難しいが、ほとんど火を使わない生活の記者にはあたたかく、穏やかな気持ちにさせてくれる。

 和ろうそくには棒型といかり型がある。

 棒型は櫨(はぜ)の実を蒸して絞った蝋(ろう)を、和紙にい草を巻き付けた芯(しん)に塗っては乾かし、何度も巻き付けていく。バウムクーヘンのような切り口は美しく、高さ約30センチ、直径約6センチのものになると熟練の技を必要とし、完璧(かんぺき)に作るには約20年はかかるという。

 いかり型は米の糠(ぬか)から採れる糠蝋が原料。宗派や行事で使われる型や色は違うが、いずれも植物性の原料で環境に良く、消えにくいのが特徴だ。

 財木屋(ざいきや)はその和ろうそくの伝統を守り続ける。店に入ると約330 年前の創業当時から伝わるというケヤキの古びた大きな看板が出迎えてくれる。和ろうそくの絵とともに看板に書かれた文字「清浄生掛」は「しょうじょうきがけ」と読む。清らかでけがれのない植物性材料を使い、本来の方法で手作りしていることを示しているそうだ。

 ■火が息をしている

 18代目ご主人、日向幸男(ひなた・ゆきお)社長(63)は、無風でも揺らめく和ろうそくのともし火を「息をしている」と表現する。十数年前、仲間と着物を着て和ろうそくの炎だけで食事をする会を試みたそうだ。

 「蛍光灯で見る着物の金糸銀糸の色が、和ろうそくの炎ではまったく違っていました」

 ほのかな炎がそれとなく見せた昔の人々の風雅で幽玄の世界。火を知り尽くした社長にとっても新たな発見だった。

 もっとも、コストもかかり、使用できる場所も限られる。日本は神仏に使う場合が多いが、家庭の仏壇では炎をかたどった電球が増え、仏壇のない家庭も多くなった。

 ■今の生活に使える商品も

 どうすれば生の火の良さを伝えられるか。日向社長はもっとろうそくを一般的に使ってもらおうと和洋問わずさまざまなアイデアや商品を取り入れ、豊富に取りそろえてきた。

 「花あかり」はかわいらしい球体型の洋ろうそく。シンプルだが、インテリアとしても普段使いができ、仏壇にも茶事にも活用できる優れもの。水に浮かべて使用するため、火の心配や汚すこともない。

 燭台も多数取りそろえている。蓮型のクリスタルの燭台は寺院でも仏壇に使用され、贈り物にも喜ばれる。ラズベリーと呼ばれる燭台は、ともし火が拡散され、優しい光を照らす。トナカイや天使の形をしたクリスマスにぴったりのスウェーデン製の鉄の燭台は、見ているだけで楽しい。

 財木屋を継ぐ前、北欧の鉄鋼メーカーに勤め、何度も北欧を訪れていたという日向社長は「日本人は蛍光灯のこうこうとした中で食事をするが、海外では夕食にろうそくがともされる。やはりリラックスするには生の火が最適。火は人間の営みの原点だった。生活に何かひとつ生の火を取り入れてほしいですね」と静かに語る。(文:嶋田知加子/撮影:竹川禎一郎(ともいちろう)/SANKEI EXPRESS)

       ◇

 ■財木屋(ざいきや) 江戸中期の創業で和ろうそくや油、お香などを扱う老舗。各宗総本山をはじめ、全国の寺院に納める。そのほか、和洋を問わないろうそくやアイデア燭台も数多くそろえる。京都市上京区油小路通丸太町上ル。(電)075・231・1063。営業は午前 9時~午後 5時。日曜定休。
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