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日本精神 (「日本人の本質」 中西輝政(著))

江戸時代知識人たち:
「正直でさえあれば、その人の心の中に自然に神が宿る」

伊勢貞丈(1717-84年)『家訓』:
「もし心が正直で正しい方向にあれば、たとえ神を崇拝してなくても神は守護したまう。多くの諺にある通り神は正直な人間の心に宿るのである。

「神」:
もともと「神」というかんじは稲妻を象形化したもの。
奈良時代以降の仏教の経典に「神」はしばしば「こころ」(ココロ)とルビがふってある。
心も神も すべて「こころ」というのが日本人の宗教意識の根源にあると思う(中西輝政氏)。

楠木正成:
西郷隆盛が最も尊敬した楠木正成、兵法や生き方を学んだ。
修身教育でも祀られ楠木正成は「忠信の鑑」「日本人の鑑」と賞賛。
「稀代の謀の究極は大楠公」、その礎は「誠」。

東郷平八郎:
天皇陛下へ「バルチック艦隊は誓って撃滅して見せます」
「おろかなる心につく誠をば みそなわしてよ 天つちの神」=「おろかな自分ですが、その心一杯につくそうとする誠を、どうぞお見守りください。天地の神様」と己の身を投げ出す。この心境こそが、日本人の研ぎ澄まされた、最後の最後に行き着く「誠」の強さではないだろうか(中西輝政氏)。

姓:
中国文明の影響が強い国は結婚すると男性も女性も父親の姓を引き継ぐ。
日本を含むほとんどの国は結婚すると男の姓で統一される。
「夫婦別姓制度」の法案があるが これは日本文明の根幹を覆す大問題。

禁輸:
科挙、官僚制、宦官、肉食、牧畜。

日本文明:
「一つの小宇宙」「一つの精神世界」「文明圏」

来日した欧米人:
「日本は他のアジアとは違う」
「ヨーロッパ人でもないのに、こんなに商いの約束を守る民族は、スエズ運河以東では見たことがない」

伊勢神宮:
戦前の日本の外交官たちは、任地に赴く前には必ず伊勢神宮を参拝した。吉田茂はロンドン、あるいは天津や奉天の総領事として赴任する前にはいつも参拝していたし、遠くは、陸奥宗光、小村寿太郎らも外地訪問のたびに参拝していた。 とりわけ、日本外交官が大陸に赴くときは、そうであった。昭和期の駐華公使として第一次上海事変の収拾などにあたった重光葵も、あるいはその前任として駐華公使を務めた芳沢謙吉(緒方貞子の祖父)も、中国との間を再三行き来したが、そのたびに伊勢神宮を参拝した。日本人が国を背負って大陸に赴任するとき、なぜ意識して伊勢神宮に参拝するのか。その理由がわからない今の外交官はそもそもその任にあらず、ということだろう。

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「日本人の本質」中西輝政(著) 日本文芸社 「第二部 精神」より




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