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識字率 (産経新聞) [かつての日本]

日本の識字率は世界最高だったんだ。

幕末の識字率推定:
 武士階級の識字率 100%
 庶民男子        50%
 女子           20%
 江戸市中総平均   20%

同時期の七つの海を支配した
英国ロンドンの識字率は 30%程度。

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http://sankei.jp.msn.com/economy/business/091021/biz0910210321000

【山河有情】前検事総長・但木敬一 かげる日本人の教育熱
2009.10.21 03:19

 わが国にはレアメタルのような資源はほとんどない。石油やウランも極めて限られている。国土の7割は山林で、耕地面積も狭い。それでも現時点では世界第2位の経済大国の地位をかろうじてではあるが維持している。その力の淵源が、人々にあることは疑う余地はない。人こそわが国最大の資源である。

 人という資源の質を高めるのが教育である。知的能力や技術はもちろん、新時代への受容能力や、人と人との良好な関係を築く感性などトータルとしての人間力を持った集団こそ日本の前途を切り開き、支え、発展させてきた力である。明治維新後の近代国家の建設も、敗戦後の奇跡の復興も、リーダーたちの功績は認めなければならないが、国の進むべき方向を理解し、すべての分野において自己の役割を全力で果たしてきた日本の民衆の質の高さを抜きにして考えることはできない。

 日本人は昔から教育好きである。戊辰戦争で敗れた長岡藩の藩士、小林虎三郎が、支藩からの援助米を困窮していた武士たちに分け与えず、売却の上、教育費に充てたという逸話は、米百俵というタイトルで語り継がれ、小泉総理大臣の就任演説にまで引用されている。教育は一世代でできるものではない。昔々からの教育好きが何世代もの世代的連帯感を生み、次の教育好き世代を育ててきた。近代教育の制度を作ったのは森有礼かもしれないが、その土壌を作ったのは江戸の文化教育である。

 福沢諭吉が明治11年に上梓(じょうし)した通俗国権論の描写が実に的確である。曰(いわ)く、「如何なる寒村僻邑(へきゆう)と雖(いえど)も、至愚極貧の者に非ざるより以上は、論語、大学の名を知らざる者なし、実語教を読まざる者なし、百人一首を暗誦せざる者なし、二一天作を知らざる者なし、めしやの看板を読み得ざる者なし、凡そ国の人口を平均して字を知る者の多寡を西洋諸国に比較しなば、我日本を以て世界第一等と称するも可なり。苟(いやしく)も具眼の人は日本の無学ならざるを知て安堵すべし」。彼は、西洋を智とし日本を愚とする論者に腹を立て、民衆の隅々にまで行き渡っている教育や文化の価値を主張したのである。

 幕末当時の全国平均では武士階級の識字率100%、庶民男子50%、女子20%、江戸市中だけの総平均は70%と推定されている。同時期のロンドンの識字率が30%程度とされているのに比せば、まさに世界第一等の教育程度であったといえよう。

 最近どうも日本人の教育熱心さにかげりが見え始めている。新しい時代に立ち向かう気概が失われつつあるように思えてならない。付加価値を生み出せる人材、創造性にあふれた人材、世界を見渡せる人材を必要としている時代になっているのに、相変わらず体育会系の勉強しない人材を珍重する企業が多く、いつの間にか低学歴国になってしまっているのに気づいていない。世界は、科学の領域だけでなく、政治、経済、教育、行政、法律のあらゆる専門分野で大学院教育が盛んに行われている。他方、教育の基本という目から見ても、人間関係をうまく築くことができない子供たちの姿に、日本の教育の現状を見る思いがする。(ただき けいいち)
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